「Yayってなに?」
「Yayってどんなサービス?」
「Yayって危険と聞いたけど本当?」
本記事では「Yay!」の特徴、危険性、安全対策、実際に使ってみた感想を解説します。
・Yayの特徴
・Yayの危険性
・Yayの安全対策
・Yayは出会い系アプリなの?
・実際の感じ
「Yay!」(イェイ)は同世代でつながる国内最大級の通話コミュニティ
「Yay!」 は2020年1月1日にリリースされ、現在(2021年11月)では400万以上ダウンロードされているZ世代が中心の匿名性コミュニティアプリです。下の画像のように200万ダウンロードに至るまで1年かかっていましたが、そこから400万ダウンロードに至るまで8カ月しかかかっていないことを考えるとコロナ禍で「すべての人に居場所を」という「Yay!」のコンセプトがマッチしたと考えられます。
2021年11月15日に「最初の1回、少しの勇気を持って一歩を踏み出し、新しい人間関係を切り開いてほしい」「もっと自由に表現し、ユーザーひとりひとりが輝いて欲しい」の想いのもと、ロゴリニューアルが行われました。
リリースされてもう少しで2年になっても「すべての人に居場所を」という「Yay!」のコンセプトに忠実であることがわかります。
Z世代同士がつながる仕組み
「Yay!」では、世代や趣味嗜好が近い人たちをつながれる仕組みが揃っています。
「サークル」
サークルとは、趣味嗜好が合うユーザーが集まるグループのことであり、 サークル内の投稿はサークル内でだけ表示されます。 サークル内のテーマは以下の通りです。
趣味について話し合う、オンラインゲームの参加者募集などが多く見られました。
自分に起きた出来事を「誰かに話したい!共感してもらいたい!」という人は楽しめると思います。
「個別チャット」 「通話(音声通話・ビデオ通話)」
個別チャットとは、1対1でメッセージのやりとり・通話ができる機能になります。サークル内の気になるユーザーやタイムラインで面白い投稿している人とやりとりして仲良くなることができます。
個別チャットは個人間の距離をグッと縮めることができる重要な機能だと思います。
「Yay!」では、メインになるやりとりが個人間でのメッセージや通話になるので話す人:聞く人ではなく、話す人:話す人になります。そのため配信者や視聴者という区切りがありません。そのため他のSNSのように配信者側に権威が生まれることなく、全ユーザーが平等な立場になります。この方向性は前身の「ひま部」が「暇なときになにかやりとりする」というようなコンセプトで伸びたので引き継いだのだと思います。
またClubhouseやVoicyのように配信者と視聴者をくっきり分けてしまうとクオリティの高いコンテンツが求められることになるので、ちょっとした出来事を投稿しづらい雰囲気になってしまいます。その点「Yay!」では全員が同じ立場でちょっとしたことでも共有しあえるのに加えて年齢が近い人が表示されるようになっているので、つながりやすいのだと思います。
Z世代に向けた安全・安心な居場所作り
Yay!を運営している株式会社ナナメウエは、さまざまな団体と連携してZ世代のサポートを行なっています。
特定非営利活動法人あなたのいばしょチャット相談が連携
「Yay!」では、特定非営利団体活動法人あなたの居場所と連携して年齢・性別を問わず誰でも個人の悩みや虐待における相談ができる窓口へのリンクを設置しています。
悩みを持つ子供たちからしてみてもSNSから相談できるので非常に相談しやすい環境だと思います。
LGBTや自分の性に悩む学生のための相談室を設置
「Yay!」ではLGBT支援団体「にじーず」と協力して、LGBTの学生に向けた相談室を設置しています。
主な年齢層である10代の若者が感じることの多いが、相談しにくい不安を解消することにも重きを置いています。匿名という特徴のおかげで、自分の情報を出さずに相談できることは当事者が一歩踏み出すきっかけにつながると思います。
Yay!って危険なの?
YayとGoogle検索とかけたときに「事件」「出会い方」というキーワードが出てきて不安になり、この記事にたどり着いた方もいるかもしれません。
そもそもYayの検索キーワードに「危険」が入るのは「Yay!」の前身アプリである「ひま部」が原因だと考えられます。
「ひま部」は「Yay!」と似たようなコミュニティアプリでしたが、学生限定という特性を悪用した未成年の児童が巻き込まれるSNSを起因とする事件が2018年(平成30年)だけで214件も起きています。この数字はTwitterに続いて2番目の数字になります。
Twitterの2019年時点でのダウンロード数は4500万、2019年のひま部のダウンロード数が10万であることを考えると事件頻度の異常さがよくわかります。
ひま部と何が変わったのか?
「Yay!」と「ひま部」のちがいから「Yay!」では何が改善されたのかを見ていきたいと思います。
年齢層 | ダウンロード数 | 年齢確認 | |||
Yay! | 全年齢対象 | 400万(2021年11月現在) | アリ | ||
ひま部 | 学生限定 | 10万(2019年12月31日サービス終了時点) | ナシ(途中から導入) |
ひま部で事件が多かった理由としては、学生限定のアプリとしているのに対し年齢確認が途中まで行われていなかった点にあると思います。
年齢確認がなく「自己申告制」だったことに加えて、「〇学生」「〇学年」の部分まで自由で決めることができてしまうので、学生ではない人でも自由に出入りできる状態でした。
そのため「Yay!」では年齢確認が徹底されており、年齢確認をしないと個人チャットや個人通話が使えません。
つまり、年齢確認しないとタイムライン投稿・サークル投稿しか行うことしかできないということになります。
「ひま部」では年齢制限をかけなかったことにより、性犯罪につながっていしまったため、年齢確認をしないと他のユーザーと個人で関わることができない仕組みを作り安心してやりとりできる環境作りに努めています。
Yay!の安全対策
ひま部での反省を活かして「Yay!」では安全対策が以下のように徹底されています。
人的パトロール
タイムラインやユーザー情報などを24時間・365日監視しているので、AIでは気づけないようなLINE、カカオトーク、Instagram、Twitter等の外部サービスのIDを載せたとしても対処することが可能になります。
AI(人工知能)システムによる自動パトロール
AIでは外部に誘導するコミュニケーション(LINEのQRコードなど)や悪質な投稿コンテンツを自動検知します。AIは人間よりも迅速に対処することが可能なので、外部SNSへの誘導を禁止できます。
ユーザーからの通報への対応
ユーザーが不快に感じた投稿やアカウントを通報する機能があるので、その際に本当に不快に感じるモノであるのかを社員が目視で確認します。イタズラで通報したかどうかもわかるので、目視で確認してくれるのは最適だと感じます。
機能制限によるユーザーの保護
年の離れたユーザーとのやりとりの禁止
10代後半から20代前半のユーザーが多い特性上、それを利用して若い人に会おうとする人が出てくることが「ひま部」でわかっているので、「Yay!」では年の離れたユーザーとはやりとりができなくなっています。
*下の図が個人チャットができる年齢区分です。
12歳 | 12~14歳 |
13歳 | 12~15歳 |
14歳 | 12~16歳 |
15歳 | 13~17歳 |
16歳 | 13~19歳 |
17歳 | 14~20歳 |
18歳 | 15歳~ |
19歳 | 16歳~ |
20歳 | 17歳~ |
21歳 | 18歳(高校生除く)~ |
3歳以上離れないように設定することで、トラブル防止に努めています。
外部機関との協力体制
各都道府県警のサイバー犯罪対策課を中心に定期的な捜査協力を行い、お互いに情報提供することでアプリ内の監視活動に役立てています。
もしもの場合に備えて、トラブルに巻き込まれた際の警察からの捜査協力に対しても迅速に対応します。
大学研究機関との共同研究
東京大学や明治大学と共同で「SNSコミュニティの運営におけるトラベル防止」に関する施策を研究しています。
ユーザー自身への啓発活動
「Yay!」ではアプリ内でも注意の表示だけでなく、Twitterなどの投稿、ユーザー向けの資料を配布しています。
noteでは「出会い厨のみなさまへ」という目を引くタイトルで実際に注意喚起を行なっています。
実際に使ってみると…
実際に「Yay!」を使ってみて、怪しいサークルがないか探してみようと思います。
「出会い」目的でやっていそうなサークルを探してみると、ほんの少しだけ怪しそうなサークルを見つけました。
他にも「下ネタ」や出会いを誘発しそうなワードを探してみたのですが、これ以上は見つかりませんでした。
出会い目的のユーザーが全くいないとは言えませんが、出会いにつながりそうなサークルは作れないように運営が管理しているので基本的には安全と言えるでしょう。
最後に
結論として、「Yay!」ではユーザーがしつこいと思わないぐらいに調節して安全対策を行なっていました。
現状、調べても「Yay!」が原因で起こった事件が出てこないことから事件にもつながっていないと考えてもいいでしょう。
400万ダウンロードされているアプリにもかかわらず事件がないのは、一度「ひま部」で事件を起こしてしまったからこその教訓が生きているのかなと思います。
「Yay!」以外の音声SNSも気になる方はこちら!