himalayaの音声配信サービス Voicy、stand.fmへ移行

himalaya 図音声SNS

シマラヤジャパン株式会社は、2021年9月30日をもって音声プラットフォーム「himalaya」の音声配信サービス事業および機能(ユーザーによる音声配信機能)を縮小することを発表。
himalayaが企画・制作・配信サポートを行なっていたチャンネルは「stand.fm」・人気配信者の配信は「Voicy」に移行。今後はオーディオブック事業(「himalaya聞き放題」)へサービスを集中させる。

himalaya✖️stand.fmの特設ページより

中国では6億人以上のユーザーを抱えるhimalayaの人気音声配信者がVoicyのパーソナリティとして仲間入り!本田晃一、竹中平蔵、安藤美冬らの声がVoicyで楽しめる | Voicy

himalayaとは?

「himalaya」とは、中国で6億人以上のユーザーを抱える音声プラットフォーム「喜馬拉雅(シマラヤ)FM」の日本版サービスです。
10万以上のポップキャスト番組、1万以上のオーディオブック、1,000を超えるASMRが聞き放題が特徴です。

今回の発表の背景

中国では圧倒的な人気を博するのにどうして音声配信サービスを縮小することになったのか?

himalaya 中国webサイト
出典:オーディオノベル、リスニングフィクション、オーディオブック、オンラインリスニングブック、ラジオFM – ヒマラヤ (ximalaya.com)

himalaya中国版を見てみると、再生回数が億を超えていることから中国市場での人気の高さが伺えます。

そんな中国では人気のあるhimalayaが日本での音声配信サービスを縮小することになった理由は、やはり日本版のhimalayaで音声配信サービスを伸ばすことができなかったからでしょう。
そこで、本記事ではhimalayaが中国で伸びている背景・日本で伸びなかった背景をまとめてみました。

中国で伸びている背景

①漫才/落語・サスペンス オーディオブック・教育・SFラジオドラマなどのコンテンツ

これらのコンテンツのおかげでhimalayaが中国で伸びたと言っても過言ではないでしょう。中国で最も人気のある漫才師である「郭徳綱(グオ・ダーガン)」と彼が率いる漫才パフォーマンスグループである「徳雲社」との契約を筆頭に中国で人気のコンテンツをカバーすることで音声市場の独占に成功しています。

himalaya中国の音声コンテンツと日本の音声コンテンツを比較してみた。|himalaya_Japan|note

②中国中央テレビなどのメディア+企業が参入

himalayaには中国中央テレビ(CCTV)・人民日報・新浪・フォーブスを含めた5,000以上のメディアやアリババ・バイドゥ・デラックスを含めた3,000以上の企業も参入しています。

中国の「化け物級」音声アプリ、素人とプロの「いいとこ取り」で成功 (withnews.jp)
用声音分享人类智慧_喜马拉雅使命 (ximalaya.com)

③海外企業に中国市場のシェアをとらせない

中国政府はインターネット利用を規制しているため、海外企業が中国国内でシェアをとることが難しい状況です。
例えば、Googleは2010年3月22日に中国本土で展開していたネット検索サービスから撤退している。その背景にはやはり中国政府からの規制があったみたいです。

シェアは92.2%!Google検索が世界一になった理由とは??(宇田川 敦史) | 現代新書 | 講談社(1/7) (ismedia.jp)
グーグルと中国 (tanakanews.com)
米グーグル,中国市場からの“撤退”を表明 | 調査・研究結果 – 放送研究と調査(月報)メディアフォーカス | NHK放送文化研究所

日本国内でのhimalyaの動き

①スタジオを用意

出典:Wantedly Ximalaya Japan.Inc

himalayaでは、専用のスタジオを用意して公式の企画・制作まで行なっており、防音・感染対策まで完備。アプリ内の番組のために本格的なスタジオをまで用意しているため、配信に懸ける本気度が伝わります。

【悲願】himalayaスタジオの防音性能を強化~ I Was 防音 To Love You ~ | Ximalaya Japan.Inc’s Blog (wantedly.com)

②主な企画

Withコロナ時代の中国ビジネス新常態
段々の中国宅配便
ROLAND(ローランド)の「himalayaか、himalaya以外か。」

ROLAND(ローランド)さん以外の企画は、ビジネスマンなどをターゲットにした企画が多いように感じられました。

③主な出演タレント

陳暁夏代・落合陽一・川奈まり子・本田晃一・ROLAND・段文凝・本田健・山崎拓巳・田原総一朗・井上裕之・関川良・May’n など

日本国内で伸びなかった背景

①Spoon・stand.fm・Voicyなどのライバル企業の存在

「中国で伸びている背景」でも説明した通り中国ではhimalayaが音声市場を独占していますが、日本ではSpoon・stand.fm・Voicyなどのライバル企業がひしめき合っている。市場を独占することができなかったため、中国版のように伸ばすことができなかったのではないかと考えられます。

②中国での勝利の方程式に当てはまらなかった

himalayaは中国で成功しているため、その方程式を日本でも使おうとするのはなんら不思議ではありません。ただ、中国と日本では運営の想定していなかった文化の違いがありました。
2020年の1月10日の記事で、シマラヤジャパン副社長である齋藤ソフィーさんも「中国ではアプリから開くユーザーが多かったものの、日本ではパソコンから開いているユーザーが多い」と中国と日本のちがいを指摘していました。

himalayaのオーディオブック事業

オーディオブックとは

オーディオブックとは、書籍などを朗読したものを録音した音声コンテンツのことです。

「himalaya」聴き放題

「himalaya」聴き放題を購入すれば、10,000点以上のオーディオブックが聴き放題。30日間の無料体験も利用可能です。

年割プラン

月625円 年間7,500円
・最初の30日間無料
・2カ月分お得
・オーディオブック聴き放題
・オーディオブック以外のプレミアム音声一部聴き放題

月額プラン

月750円 年間9,000円

・最初の30日間無料
・オーディオブック聴き放題
・オーディオブック以外
・プレミアム音声一部聴き放題

「himalaya」オーディオブック人気ランキング

オーディオブックの人気ランキングをご紹介します!(2021年10月12日現在)

1位 企画は、一言。

企画は、ひと言。

著書:石田章洋  / ナレーター:矢島雅弘
すぐれた企画は、すぐれた「ひと言」からはじまります。その「ひと言」をどのように生み出すのか。そのアイデアの実現方法は本作品でご紹介します。
企画の仕事に関わっていて、なにかしら壁に突き当たっている方の助けになるでしょう。

2位 なぜ、あの部門は「残業なし」で「好成績」なのか?6時に帰るチーム術

なぜ、あの部門は「残業なし」で「好成績」なのか?

著書:小室淑恵 / ナレーター:中村久美
早く・安く・大量にというやりかたが通用しなくなり、「付加価値で勝負する時代には、社員は6時に帰らなければなりません」。本作品では、ワークライフバランスの視点を取り入れ、導入し、定着させる方法を、6ステップ・25のツールで説明していきます。

3位 日本の大和言葉を美しく話すーこころが通じる和の表現

日本の大和言葉を美しく話す

著書:高橋こうじ / ナレーター:北林きく子
日本には漢語と外来語、そして生粋の日本語「大和言葉」大きくわけてこの3つがあります。日本人自身が育んできた知的で優雅な余韻を残す言葉遣いを身に着けてみませんか?そうすると相手に対する親愛の気持ちまで香らせることができます。

オーディオブックの中には特典があることもあるので、特典が気になる人は買うのもアリです。

例)青天の霹靂 著者・劇団ひとり氏からのメッセージ

himalaya オーディオブック特典

今後のhimalayaについて

今後himalayaはオーディオブック事業中心になると予想されます。
そうなるとhimalayaのライバル企業はオーディオブック事業である「audiobook.jp」「Audible」「LisBo」になります。

文化の違いという大きな壁にぶつかったhimalayaですが、オーディオブック事業でいかに日本のシェアを取りに行くのか。今後の動きに注目です。

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